ここでは秋吉久美子の鑑定の様子です。

秋吉久美子が銀幕に初登場したのが高校3年の夏。
ラジオで告知した映画「旅の重さ」のオーディションに応募したのがデビューのきっかけだった。
以来数々の映画やドラマに出演。ブルーリボン賞、日本アカデミー賞など映画賞を総なめにする大女優になった。
一方プライベートでは人気絶頂の24歳の時にできちゃった結婚(青い三角定規のメンバーで作曲家の岩久茂と)。
秋吉は女優と母親を両立する道を選んだ。
そして50歳の時には26歳年下の日系アメリカ人グレンさんと再婚し、話題に。
世間からどういわれようと媚びることなく生きてきた秋吉。
女優として第一線を走り続けてきた秋吉久美子。
今、ようやくやりたいことが見つかった。
だが、現在59歳。
限られた人生の中でやり遂げることができるのか不安なのだという。
そこで木村藤子の元を訪れ自分の未来について相談することに。
木村「お聞きしたいことは?」
秋吉「ギリシャ語の古典を学びたいんです。間に合うのかな?と。
仕事もしながらいろいろなことをしながら…。」
木村「うん、無理です。」
秋吉「無理ですか。」
木村「はい。かじったとしてもあなたが満足にできるようにまでは無理です。
あなたね忙しすぎてやれなかったことを、成し遂げたいという願望のほうが強いと思う。あなたはすべて納得できるまで頑張りたい方なんですよ。でも、中々そこまでは難しい。ほどほどやって生きていけばそれでよいと思います。」
かつてできなかったことを今になってやり遂げたいという感情が先走っている。
その原因は彼女の性格にあると木村は言う。
木村「あなたはこの芸能界でご自身を変えてしまったと思います。」
秋吉「本当です。」
木村「もともとあなたはそういう気質を持っていないからよく芸能界で頑張ってこれましたね、って私驚いています。」
秋吉「わたし、良妻賢母なんですよ。」
木村「そうです。その通り。あなたは少年少女のように純粋で真面目なんですよ。
ずるさがなくて。
ただ、頑固すぎる。決めると引かない部分も結構あると思います。」
秋吉「頑固さのおかげで大惨事です。」
木村「で、気が付いたときに本当は正直で何も癖のない人なのに、あなたは頑固で、ひんしゅくを買って損をすることがある。
たとえばご主人と口論になっても、あなたは我の強さがなかなか合わなくなることがある。 正直すぎて。
つっかかって喧嘩してはだめ。つっかからない。」
秋吉「でも相手も突っかかるんですよ。
クワガタとクワガタが暮らしているみたい。」
木村「なるほど。だから今度はご自分が引いた方がいい。あなたが年上ということで、もっと寛大に見てあげて。」
秋吉「歯を磨かなくてもですか?」
木村「ははは。それは『歯を磨け』って怒って言うよりも、違う方向性で導いて。
つっかからない。これが大事。」
純粋さゆえ、仕事や夫婦関係がこじれることがある。気を付けたほうがいいと木村は言う。そして秋吉は力を入れている東北の活動について相談を始めた。
幼少期を福島で過ごした彼女は地震で被災した故郷の復興支援をしているのだが…。
秋吉「なんか思うように助けられないんですよね。
関係者たちの考えの違いの中でやらなきゃいけないから。
すごくそれでずっと悩んでいて、体調も悪くなるくらい、震災から3年目ですけど悩んでいて。なんか疲れちゃって。」
木村「あなたの繊細な正直な心でぶつかってもすべてが受け入れてもらえるという保証はないと思います。
現実を見たら人間同士の我が出てくる。感情論が出てくる。
あなたが正直なままで、自分を押し通していくと批判も出ると思います。
だったら違う形で、もっと自分を大切にしながら。
人を助けれる、助けるというのは、ボランティアだけではないから。
これからそれも含めて一生懸命頑張ってみてください。
あなたは思っていたより、もっと純粋でした。
頑固で押していくことだけはちょっと控えて。」
木村藤子の気付いてほしいポイント
純粋という本来の魅力を生かし、頑固さを控えることが大切
9月、秋吉久美子は故郷である福島県いわき市三和町上三坂を訪れていた。
秋吉は高校時代の同級生と地元との交流を深めながらいわきを盛り上げる「おじょんこの会」という活動を行っている。
おじょんこというのはこの地方特有の女性用の袖なしの半てんのこと。
秋吉「おじょんこの会が一番最初にやろうと思っているのはおじょんこを作ること。
作りながらいろいろ上三坂(この地方)のことも教えて頂くというのが一番最初にやりたいなと思っていることなんですよ。」
ふるさとの素晴らしさを知ってもらいたい。
自分ができることからそんな思いが秋吉を突き動かしていたのでした。